2016/02/09

Record Fish Badge

「生物としての静物(文庫版)」、P120
そこへスウェーデンのアブ社の国際魚釣りコンテスト賞の金賞のバッジを刺し、キンキラキンのさりげなくといった顔つきで、あちらの山、こちらの谷を歩き回った。


古いABUのカタログには、国際釣りコンテストの賞品としてバッジ(ピン)が贈呈されたことが記されています。世界各地から応募された魚が対象で、厳格な審査を経て認められたものにのみ、魚種ごとに設定されたサイズに応じて金賞、銀賞、銅賞が授与されていました。「生物とての静物」には、佐治敬三さんから提供されたステットソンの帽子に金賞のバッジを刺して愛用する様子が書かれています。

金賞のバッジには実は2種類あり、上の写真のものと、金賞のうちの最大魚に授与された周囲にローレルのリースがあしらわれたものとがあります。ただ、カタログによると、ローレル付きのバッジは1970年のコンテスト審査分(1971年カタログ掲載)からが対象だったようですので、開高さんの金賞は「ローレルなし」のものだと思います。

さて、このコンテスト。日本ではほとんど宣伝されていませんが、TIGHT LINES(ABU社のカタログ)の2000年版には掲載されていました。また、賞品のバッジやパッチ、特に古いものは、コレクターズアイテムとして時々出回っています。私自身も、コンテストに応募して獲得したのではなく、スウェーデンやドイツのコレクターに探して貰って入手したものです。いつかは帽子に刺して見たいと思っています。

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